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ゼフィルス会
外国人IT技術者の雇用について
(下は、2005年(平成17年)2月7日付け 中部経済新聞に掲載されたものです)
士業によるリーガルクリニック Q&A ゼフィルス会 創業支援 A 外国人の雇用
執筆担当:入管申請取次行政書士 田澤 満
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(新聞紙面の字数制限から、大分省略せざるを得ませんでした。 以下、補足説明(青字)も付け加えます)
- 私が新聞社へ上げた原稿は、以下の通りです。-

『就労ビザについてのポイント』  〜入管法上の制限、文化の違いにも配慮を〜
 相談者  新規事業・IT関連企業社長・外国人の雇用問題
  創業支援・外国人の雇用問題
入管申請取次行政書士・田澤 満
能力のある外国人を数名雇用し、ソフトウェア開発等に従事させたいと思います。どのような方法があるのでしょうか。
日本企業が外国人を雇用し、国内の事業所で就労させたい場合、主に二つの方法があります。
 ひとつは、日本国外に居住する外国人と雇用契約を締結し、入国管理局他の審査を経て招聘・入国させるもので、通常はまず貴社の事業所を管轄する国内の入国管理局に対し、「在留資格認定証明書交付申請」を行うことから始めます(この後の手続の流れについては紙面の都合上割愛します)。
 もうひとつは、既に日本に居住している、正規の『在留資格』(いわゆるビザ。以下、便宜上「ビザ」とします)を持つ外国人を雇用する場合で、通常、IT分野での若く優秀な人材となれば、工学部系留学生を大学卒業と同時に受け入れるケース(入管局での、留学から就労ビザへの変更申請が必要)や、既に日本で就労している、『技術』のビザを持った外国人を転職させるケースが一般的です。他の就労ビザを持つ外国人や、永住者など就労制限が無い外国人の技術者を雇い入れるケースももちろん有りますが、IT分野では少数派で、上記の通り、@国外から技術者を招聘する A理工系留学生を新卒で採用する B既に就労しているIT技術者を転職させる の3つが一般的です。
Q 『技術』という就労ビザについて教えて下さい。
現在 日本では、日本人の職を守り 専門職外国人のみを積極的に受け入れる という観点から、永住者や日本人配偶者などを除き、全ての職域において外国人の就労を認めている訳ではありません。『技術』ビザは、細かく職種が規定・分化されている就労ビザの内のひとつで、IT関連他、機械系技師、エンジニア等も含まれます。政府はこのうち特にIT技術者の審査基準について一定の緩和措置を実施し、中国、韓国、シンガポール、フィリピンなど、当該国で一定の情報技術関連試験に合格した者については、「大学卒」または「実務経験十年以上」などという本来の許可基準をクリアしたものとみなすことにしています。(補足説明@)世界の若く優秀なIT技術者をアメリカやドイツに取られてばかりではまずい と判断しているからです。特に国外からIT技術者を招聘する場合、技術者の豊富さ、探しやすさ、英語が使えるか、賃金が見合うか といった条件から、現実には中国、インド、韓国等からの招聘が多いと感じています。
 尚、入管法上のビザを得るためには、他に雇用会社側の財務・事業内容上の要件もクリアし、新規事業の場合、『事業計画書』も必要となります。(補足説明A)

Q 雇用後に問題は起こらないでしょうか
もっとも顕著な例として、『技術』を初めとする就労ビザでは、「日本人と同等額以上の賃金」を得ることも条件とされていることに、ご注意願います。外国人労働者も労働基準法の適用を受けますし(補足説明B)、転職の権利もあり、また文化も違います。賃金トラブルから退職していってしまうケースも後を絶ちません。この点、コスト面ばかりを考えていては、後々のトラブルに繋がりかねません。
 字数の制限から触れられませんが、入管申請には多くの「例外」があり、審査基準も社会情勢、国際情勢を見つつ常に変わります。事前に、最寄りの入国管理局や専門家事務所へご相談することを、お勧め致します。
以 上      


補足説明@ 政府は、中国、韓国、ヴェトナム、フィリピン、シンガポール、ミャンマーなどと、当該国での一定の情報技術関連試験に合格した者については、学歴・職歴要件を緩和する取り決めを行っています。しかし、これらの資格はいずれも、当該国において非常に難しい試験となっています(例えば、実質合格出来るのは工学部系大学院レベル以上 等)。そのため、実際には『緩和になっていない』のが実情であり、現地の工学部系大卒者を探す方が、より現実的と思われます。
 しかし、上記の『要件緩和』は無意味だとしても、私はIT関係技術者についての入管審査は、『技術ビザ』に関わる審査の中でも“比較的緩和されている”と感じています。IT立国を目指す立場から、IT技術者の確保は政策上不可欠であり、それが入管審査のあり方にも、影響しているのでしょう。

補足説明A 雇用会社側書類として、例えば許認可取得が義務付けられているような場合には、その証明も要求される場合が多いです。派遣業許可なども、その内に含まれます。

補足説明B 雇用会社が派遣会社で、技術者を派遣する労働者派遣事業を行うような場合、『労働者派遣法』なども、当然に適用されます。



 当事務所では、日頃より名古屋入国管理局管轄地域(愛知、岐阜、三重、静岡、石川、富山、福井の7県)の情報関連企業の皆様に、格別のお引き立てを頂いております。 外国人のIT技術者、その他の技術者や貿易・海外業務要員、企業グループ内転勤者等の招聘 及び 入国後の在留手続、また、単に手続のみならず、クライアント企業の外国人関係事業が適正かつ合法的に進められるよう、全般的なサポートやアドバイスを行い、最新の情報も提供しております。
 企業や業務の国際化・海外進出、市場のグローバル化が進む今日、「人材や技術の移動」、「国境を越えた就労」、「外国人の直接雇用」は、今後も益々活発になっていくことと予想されます。ご要望・ご相談等ございましたら、お気軽に下記までご連絡・ご相談下さい。 尚、遠方・他府県の申請希望の方々には、各地の経験ある入管申請対応行政書士事務所をご紹介しております。お気軽にお問合せください。


(外国人の在留・雇用・招聘手続全般、研修生受入れ手続、国際労務管理、外国人雇用コンサルティング、翻訳 他)
行政書士・社会保険労務士 名 古 屋 国 際 綜 合 事 務 所
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